新居浜東学園長 宮本由美子
花咲く庭とヨガ
朝一番、はさみを手に庭に出る。小さな庭だが一年中でいちばん多くの花が咲く季節。花柄を摘みながら、観察し、水やり、肥料、剪定、植え替え、消毒など、必要な作業を考えながらひと廻りする。
娘が高校三年生の二学期、来春には進学のため、家を出ることがだんだんと実感されるようになり、さみしさに動揺した。毎日のお弁当を、今まで以上に丁寧に心をこめて作りながら、密かに子離れの決心を固めていった。旅立つ日は、花いっぱいの庭から送り出してやりたいと、春咲きの種、苗、球根を手当たりしだいに植えた。「五月の連休には帰るからね」と旅立った娘、“五月には花いっぱいで迎えたい”と以来、帰省のたびに花いっぱいで…。を目指しているうちに、いつのまにか一年中いつも花が咲いてる庭となった。
子どもたちが独立した頃、ヨガと出会い、多くの先生方のお導きにより、指導者への道を開いていただいた。教室を始めた頃は、プログラム通り進めることに気をとられ、ひとりよがりであったと反省。あきらめず教室に通い続けてくれた生徒さんたちには、感謝の気持ちいっぱいである。
もの言わぬ花々の声を聞くように、ひとり一人の心の声、身体の声をしっかりと聴きとり、それぞれが思い描く花を咲かせることができるように、そのための助力になりたいと、教室に向かう日々である。
感謝合掌
インナームーブ216号より
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