群馬福島学園長 青木洋子

ヨガ教室の門を叩いて20年が経とうとしています。ずうっと居心地のよい生徒でいたかったのに途中、敬愛する吉田昭子先生を事故で失い、途方にくれながら心構えも整わないまま不束な学園長として現在に至っております。志半ばで亡くなられた昭子先生を想いながら「私に出来る事は何だろう・・・?」と時々考えます。地域にヨガを伝える、ご恩返しはこれしかありません。まずは自分が学ばなければ伝えられない。のんびり屋で何事もスローな私はエネルギーの充電にもヒマがかかります。「それでもいいのですよ~」と徹会長の声が遠くから聞こえてきます。「しっかりせい!」と靖子会長補佐の声も。そして大勢の仲間の先生方の笑顔が頭に浮かび、それらが心の支えとなっていることを強く感じます。 一年半程前から近くのレディースクリニックでマタニティーヨガ教室の講師に招かれておりますが、お引き受けするのに半年悩みました。結局、院長の許可があった妊婦さんに限らせていただいておりますが、特に注意深く妊婦さんの様子を観察しています。実はこれがとても楽しい!母体はゆっくりと気持ちのよいヨガをしている時、胎児とコミュニケーションしているのです。「早く赤ちゃんに会いたい!」そうです。里帰りされて別の医院で出産された方からも、呼吸が上手だと誉められたとか安産でしたとかメールが来ますと彼女等の顔を思い浮かべ、とても幸福な気持ちに満たされます。最近、乳児を持つママのリフレッシュヨガを試みています。シッターさんに同席していただいているのですが、これもまた楽しいのです。勿論、「楽しい」は面白おかしいという意味ではありませんが。多くの先生や生徒さんのお陰で今の自分があることに感謝の毎日です。

インナームーブ75号より